後日談で、異変の起こった翌日、寮に真田とゆかりも揃っているのに違和感ありませんでしたか?
●二人はいつ合流したのか
アイギスが目覚めたときの状況説明として、真田は「今朝からは、寮の外へも出られなくなった」と言っています。ですから(二回目の3/31の)朝より前、真夜中すぎの夜中に到着したということになります。
●見捨られた寮
後日談開始時点で既に、ゆかり・真田・美鶴は寮に居住していません。黙っていても寮にS.E.E.S.全員が揃う状況ではなくなっています。
ゆかりと真田を集めるには、何らかの情報交換が必要です。
●二人はどうやって来たか
二人以外が寮で解散式のお寿司を食べている時間帯は、真田とゆかりは寮外でも同じ場所にいるという描写は特にありません。その前、夕方、風花がゆかりに電話をかけていますが、「真田先輩もいる」という趣旨の発言はありません。真田が不在であるという説明は別キャラの台詞で語られています。
お寿司を食べ終わり、日付が変わらない異変が起こった時点で、二人がこれから寮に来る予定はありません。真夜中から早朝までの、本来活動する時間帯外に、二人はどうやって移動してきたのでしょうか。
(私のパロでは、真田がタクシーを呼び、途中で女子寮のゆかりを拾ってきたことにしましたが、それでも以下に述べる問題が残ります)。
●なぜ来るつもりになったのか
真田もゆかりも、あえてS.E.E.S.解散式に出席していません。翌日の閉所にも立ち会わないつもりだったようです。
では、どうして二人とも、こなかったはずの場所へわざわざ夜中に戻ってきたのでしょうか。(寮や部活の合宿所にいるなら既に外出や外泊許可を取るのは難しい時間です。真田がいたのが実家だとしても、これから寮へ行くと養親に告げるのはかなり不自然)
万難を排して駆けつけたくなるほどの何かが起こったと見るのが妥当でしょう。そしてそれはたぶん、3/31の24時過ぎに寮を襲った異変のいずれかを知ったためだと思われます。
●二人を寮に駆けつけさせた異変とは
二つの異変の順序は1)日付が変わらない2)メティスの襲撃、の順で起こっています。真田・ゆかりに連絡したのであれば、少なくとも1)の、「3/31に閉じこめられた」事は伝達されたことと思われます。
●時間を繰り返す寮から電話はどこにつながったのか。
実は、最大の謎はこれなのです。寮から誰かがかけたにしろ、真田とゆかりから寮にかけたにしろ、すんなりつながるとは思えません。つまり、二度めの3/31である寮は、外界と同じ時間を共有してない訳ですから、電話がつながるとすれば寮外にいる真田・ゆかりもまた、まだ3/31の中にいることになります。しかし、真田とゆかりは孤立していた訳ではありません。また、「繰り返される時間」が出現したときは影時間ではない(テレビで午前0時のニュースが流れている)ため、寮から電話が通じたとすれば、二度めの3/31をその空間も共有しているということにならないでしょうか。
でなければ、電話の向こうは(後で寮事務室とつながった7月のモールのように)正常な時間の中で暮らす真田・ゆかりになるはずで、そうだとしたら(メティスの襲撃はともかく)「動かない時間」という事態そのものを理解してもらうことが まず難しいのではないでしょうか。
●例外的な「時間くりかえし現象」
FES後日談でのこの現象は独特です。一日の成果が日づけとともにリセットされることがありません。ロビーの穴が朝毎に直ることもなければ、(まだどこかにあるはずの)出前の寿司容器がいつの間にか一杯になっているということもありません。備蓄食料が減ったままらしいのは、「寮の外に出れない」と知ったメンバーが飢え死にを心配する発言から分かります。
仮に全世界で共通に認識されていたら、たいして問題にならなかったかもしれません。なぜか進まないカレンダーだけを捨てて、日付を送る別のシステムを敷けば良いのですから。
「3/31から進まない」のは、本来の学業に戻るはずのキャラ達を強制的に主人公の跡をたどらせるモラトリアムに放り込む装置の訳しか果たしていません。
●蛇足~さらにうがった見方をすれば
そもそも、寿司を食べる時点で全員揃っていれば良い訳です。玄関を閉めて出られなくすれば、強制参加のダンジョンは完成です。そうしなかったのは、現役運動部員が真田とゆかりもあわせて揃ってしまえば、最初のアイギス対メティスの一対一の戦闘が成立しなくなってしまうからではないでしょうか。仮に天田が捕まってしまっても、他に四人もいれば、誰か一人くらいはメティスの隙をついて形勢逆転できそうな気がするのです。