2013/08/17(土)少年H
野坂昭如の「蛍の墓」とずいぶん違う(妹尾河童と同年生まれ、場所も神戸と同じ)のは、家庭の雰囲気が全然違うからですね。お母さんはやりたいことをやるし、お父さんはHの疑問にやさしくできるだけ誠実に答えてくれる。スパイ疑惑をかけられてひどい目に遭って帰ってきたのに、Hの間違いを厳しいが穏やかにたしなめるシーンは感動しました。
図書館で見つけた「少年Hと少年A」(野坂昭如との対談)によれば、このお父さんは84歳で既に亡くなっていた模様。それにしても、一時期はたくさん本屋に並んでいたはずの著書がかなり絶版になっていたのにも驚き。