2008/01/09(水)ドラマCD「欲望の犬」感想

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欲望の犬









私がこれを買った理由は、この日記を継続して読まれている方には容易に察せられたことと思います。「学園ヘヴン」のドラマCDでのたった一声が色っぽく聞こえたので、七条役の声優さんって「受」もできるのでは?とキャスト買いしたのです。(尤もBLCDで坪井さんは出演作は多くとも、メインで出ているのは「ヘヴン」以外はこれしかなさそうです)
リリースが比較的新しいので店頭で見つけられるかと思ったのですが見つけられませんでした。聴いてみてその理由の一端が腑に落ちた気がしました。これは特殊なCDです。タイトルはストーリーではなく濡れ場の雰囲気を写し取ってつけられたもののようです。

【あらすじ】検事の水上は雨の日に若い男・大貫を拾うが、彼の逞しい肉体に時めいたのを悟られて無理矢理抱かれてしまう。合い鍵を手に入れた大貫は水上の部屋に入り浸り関係は続く。快楽を貪るばかりか自らも積極的に大貫を誘う水上だが、自分の仕事を明かさない大貫に不信感を拭えずにいた。一方、水上にはかつての恋人で先輩の幸田もよりを戻そうと近づいてくるが?


まず、坪井さんが演じる水上の普段のクールさと、Hシーンの落差が凄まじいです。声を楽器に例えるのはよくあることですが、しいて言うならクロマチックハーモニカかマルチ音源のシンセサイザーかと評したくなる濡れ場は熱演としか言いようがありません。
三上さん演じる大貫は、遊び慣れた感のある肉体派ながら暖かみのある声で、水上のことは心底好きで大切にしているのが伝わってくるので、最初の獣じみた無理矢理のシーンも水上が苦しそうには聞こえません。しかしモノローグ担当の役には珍しく、水上が恋愛に臆病な理由をあまり自覚していないために、大貫の愛情を聞き手が感じ取れる分、水上が大貫を信じられず自ら関係を切り捨てようとする流れが分かり辛くなっています。大貫へ傾きつつある自分の気持ちを恋と認めるのを拒み、無理矢理意志でねじ伏せようとして心身がバラバラになっていく演技は素晴らしいです。最終的には大貫の謎も明かされて幸せになるので、タイトルやイラストからやくざっぽい話を期待したらむしろがっかりするかもしれませんが、私にとっては好みの方向に裏切られたので文句はありません。
あえて文句をつけるなら音だけでは状況が分かりづらい箇所があるところでしょうか。現時点で原作は未読ですので、読んだらまた別な感想を持つかもしれません。

16日追記:
原作を読みました。「犬」には「忠犬」という意味もあるらしいです。
最初のHシーン、原作とCDではやってることが違うように聞こえるので
すが、モノローグの坪井さんの声を中心に、大貫役の三上さんの位置が
移動していることに気づきました。